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   <title>うつ病…怖くない病気です</title>
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   <updated>2009-03-16T03:16:08Z</updated>
   <subtitle>[はじめに]

この度は，【うつ病】をテーマにお話をします。みなさまは，【うつ病】，と聞いてどのようなイメージを抱かれるでしょうか。何か奇異なもの，延いては社会生活にそぐわないものとお考えの方も多いのではないでしょうか。確かに一昔前までは，「うつ病」は，医学的言説においてさえ非常にネガティブな，扱いにくく，確固たる「輪郭」をもたないものとされてきました。「うつ病は治らない」，であるとか「怠惰」など「個人の資質に帰せられる」といった言説が，医師の側からも発せられていたのは事実です。逆にいえば，このように社会全体が「うつ病」に「神秘性」を付与したことは，患者さん自らが「うつ病」を逆手にとり，自身を「特別な心の弱者」として，殻に閉じ込もってしまうような事態をも引き起こしていたといって過言ではないでしょう。

今この現在において，即ち本稿で問題とされるうつ病は，一昔前の「うつ病」とは異なるもの，延いては名称を変えたほうがよいもの，と筆者は考えます。というのは，普段の社会生活を営むうえで，誰しもが避けられない，「心と体の総合的な失調」が件のうつ病だからです。「うつ病は心の風邪」ともいわれますが，うつ病は，誰もが発症する可能性を秘め，また処置の仕様が確立されている病気なのです。今や，このうつ病は，医学の領域において事細かに「輪郭」が与えられている一途にあります。その一方で，社会的なケアという面では，制度的な枠組みが未だ整っていないというのが現状です。この社会的な受け皿を構築するにあたって必要とされるのは，何よりもまず，うつ病に対する社会的認識の改善です。このことを切に感じ，筆を執った次第です。

本文では，具体的にまず第I節で，うつ病発症の契機となりうるような症状の事例を挙げてまいります。続く第II節では，第I節の事例に即して，医学的に定義されたうつ病の「輪郭」を明示します。近年耳にする「うつ病は治る」という言説はいささか誤謬はあるものの，風邪から糖尿病などにいたるまでの病気と同じように，要は病状の程度に応じて処置の難易如何があるということが明らかになるでしょう。第III節では，実際の治療にあたって，診断から治癒までの経過を，患者さん及び，周囲の方々への注意点とともに整理します。第IV節で問題となるのは，うつ病を巡る医療・社会制度の実態です。家族のために，大切な人のために，うつ病患者さんが積極的に医療を受けることができるような受け皿の拡充が，今後の課題として立ち現れてくるでしょう。この課題を達成するうえで不可欠なのは，何よりも社会全体がうつ病に対して無知であってはならないということです。そこで第V節では，うつ病の社会的認知の促進に向けて，同病（に対する認識）の歴史的背景を探ることとします。

なお，【強迫性障害】は，うつ病とは異なる病気です。こちらについても，うつ病と同様の社会的な対応が迫られている領域ですが，本稿で扱うには紙幅の限界がありますので，言及するには至りません。ただし，今やインターネット上でも多くの情報が蓄積されていますので，是非ご覧頂きたいと思います。</subtitle>
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   <title>[おわりに]</title>
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   <published>2009-03-16T02:02:13Z</published>
   <updated>2009-03-16T03:16:08Z</updated>
   
   <summary>以上，本稿では，うつ病の具体的な症状・診断基準・治療方法をふまえるとともに，現状...</summary>
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      以上，本稿では，うつ病の具体的な症状・診断基準・治療方法をふまえるとともに，現状の社会・医療制度についても若干の整理を試み，さらにうつ病の社会的位置づけを探る作業を行って参りました。症状・診断基準・治療方法につきましては，あくまで代表的な事例・基本的な知識を紹介したまでに留まっています。少しでも，疑問に思ったことがあれば，本文中でも何度も繰り返したように，医師とのコミュニケーションを第一義に図ってください。願わくば，医師＝患者さんとの間だけでなく，家族や大切な人をも交えた【三つ巴のコミュニケーション】を構築して頂きたいものです。

しかしながら，医療の現場では，効果的なうつ病治療の方法が確立しつつある一方で，本論後半で紹介したように，患者さんが積極的にうつ病治療に専念出来るような社会福祉的な受け皿の構築は，未だ不十分な様相を呈しているのが現状です。今現在必要とされているのは，社会全体が持ち続けてきたうつ病に対するイメージを払拭することです。つまり，不可解な「神秘性」を剥ぎ取り，うつ病に明確な「輪郭」を与えてやることです。うつ病は，現在社会の大きな断面であるといっても過言ではありません。うつ病に対して効果的なケアができるような社会が構築されたときに,それはまた同時に，社会の改善をもたらしてくれるものなのです。うつ病の社会的認知に向けてみなさまひとりひとりが，このような認識にたってうつ病，即ち社会の歪みを見つめ直して頂けることを願ってやみません。
      
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   <title>[V. 5] 社会学におけるうつ病(2)…デュルケムとうつ病</title>
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   <published>2009-03-15T16:02:13Z</published>
   <updated>2009-03-15T16:59:17Z</updated>
   
   <summary>さて，それでは重症になると自殺願望・計画・行為へと至ることもあるうつ病について，...</summary>
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      さて，それでは重症になると自殺願望・計画・行為へと至ることもあるうつ病について，デュルケムの議論はどの程度参考になるのでしょうか。実は，彼は『自殺論』のなかで，「精神病的状態」における自殺行為についても言及しているのです。しかしながら，ここが重要なのですが，なかでも「憂鬱症的自殺」は，「自殺の非社会的要因」として位置づけられているのです。端的にいうと，自殺へも至りうるうつ病を社会的に捉え，社会的に改善していくための糸口は，見出せなくなっているのです。

もちろん，デュルケムの議論は19世紀フランスの社会背景を契機として構築されたものですから，その展望には時間的にも地域的にも制約があるのは自明です。そっくりそのまま他の時代及び，他の地域の問題に援用するのは早急であるといえましょう。

しかしながら，わが国において社会が発展してきた過程においては，認識論的に西洋近代科学の方法が積極的に輸入されてきたのも事実です。デュルケムの議論も少なからず参照されたことはいうまでもありません。ではここで，いまいちどデュルケムの議論に立ち返りましょう。もし，デュルケムがいう「憂鬱症的自殺」が「自殺の社会的要因」に含まれていたとしたら，どのような展望が見出せるでしょうか。彼の主張に即せば，個々人を掌握できる社会集団の強化によって，また自殺願望をもつもの（うつ病患者さん）がこれに積極的に属することによって，自殺（うつ病）は防げるということでした。

でも，ほんとうにそうでしょうか。むしろ，近代化を標榜して上記の如く強化されてきた社会においてこそ，第I節以来申し上げてきたようなうつ病が蔓延するようになったとも考えられます。うつ病に対する社会的イメージが改善されずに今に至っていることもまた同様に，このような近代を巡る認識論のレベルに根ざした問題として立ち現れてくるのではないでしょうか。「社会を改善する」という認識において，大きなパラダイム転換が21世紀には求められている，と筆者は考えます。このような意味において，うつ病はまさに，社会における「近代性の欺瞞」を明るみに出す可能性を過分に秘めている，「社会の断面」なのです。

      
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   <title>[V. 4] 社会学におけるうつ病(1)…デュルケムと『自殺論』</title>
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   <published>2009-03-15T12:02:13Z</published>
   <updated>2009-03-15T16:57:34Z</updated>
   
   <summary>うつ病自体を社会科学が捉えた本格的な研究は，まだ蓄積が浅い状況です。一方で，重度...</summary>
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   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.wowrecords.co.uk/">
      うつ病自体を社会科学が捉えた本格的な研究は，まだ蓄積が浅い状況です。一方で，重度のうつ病にもみられるように，自殺願望を抱くような精神疾患に対しては，古くから近代社会科学は，議論を展開していたようです。しかしながら，筆者の能力から，その議論の全てのを体系的にふまえることはできません。したがって，恣意的ではございますが，本稿との関係で示唆に富む古典をピックアップすることにしましょう。

わが国においても知られているのは，フランスの社会学者エミール・デュルケム[1858-1917]の『自殺論』でしょうか。なお，ここで社会学のタームを全て整理してデュルケムの『自殺論』を紹介するには紙幅に限界があります。したがって，噛み砕いて申し上げることにしましょう。

デュルケムが自身の思考活動を展開する時期は，ちょうどフランスが社会的混乱に陥った時期でした。この点は，世界史の教科書でもみて頂ければよくお分かり頂けるとおりです。彼の問題意識は，この崩壊した社会を改善することにありました。そのなかで彼の関心を惹いたのが，まさに自殺という行為だったのです。

自殺という行為を巡るデュルケム独自の着眼点は，この行為が個人の資質，つまり心理学的要因に帰せられるというよりもむしろ，社会的な要因に帰せられるものと考えられる，というところにあります。そうして，この自殺を防ぐためには，「社会集団を十分に強固にして，個人をもっとしっかりと掌握できるようにするとともに，個人自身も集団にむすびつくようにさせること以外に方法はない」『自殺論』（478頁）というのです。

なるほど，と賢くなった気がしますね。では，彼のアプローチでは，うつ病についてはどのような理解が可能なのでしょうか。項を改めましょう。

      
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   <title>[V. 3] うつ病に関する数値的把握(2)…歴史的推移</title>
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   <published>2009-03-15T02:02:13Z</published>
   <updated>2009-03-15T03:18:05Z</updated>
   
   <summary>さて，わが国におけるうつ病の実態を捉えるには，データ上の制約があることについては...</summary>
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   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.wowrecords.co.uk/">
      さて，わが国におけるうつ病の実態を捉えるには，データ上の制約があることについては，前項でお伝えしたとおりです。とりわけ，現在問題とされているうつ病と，一昔前の「うつ病」は，医学体系が異なる物でもありますし，さらに今やうつ病は，その症状に応じて細分化が進む一途にあります。したがって，本項では，比較的近年のデータのみに基づいて，急増するうつ病（予備軍）の歴史的変化を示すこととします。

といっても，明確なデータが存在するわけではありません。ここでは，「精神科」における「相談件数」をもとにして，世紀転換期の様相を探ってみることにしましょう。

まずは相談件数総数の推移を以下に記します。

1996年… 約3,500件
1997年… 約5,000件
1998年…約10,000件
1999年…約13,000件
2000年…約15,000件
2001年…約20,000件
2002年…約25,000件

となります。精神疾患の罹病もしくは，その可能性のある人が急増していることが自明です。次に，躁うつ病に関する「相談件数」の推移を以下にみてみましょう。

1996年…   927件
1997年… 2,457件
1998年… 4,475件
1999年… 6,542件
2000年… 7,816件
2001年…11,194件
2002年…15,071件

というように，劇的な増加が見出せます。さらに，相談件数総数に対する躁うつ病の割合の推移も抑えておきましょう。

1996年…約26％
1997年…約49％
1998年…約45％
1999年…約50％
2000年…約52％
2001年…約56％
2002年…約60％

いかがでしょうか。うつ病に悩む方が絶対的にも相対的にも激増していることが分かりますね。

しかしながら，このようにうつ病患者さんの苦しみは，社会において一つの大きなうねりとなって立ち現れている一方で，保険や福祉制度などの社会的ケアの拡充は，残念ながら立ち遅れているというのが現状です。本稿冒頭以来，何度か申し上げてきましたが，この「受け皿」の整備にあたって，必要とされる原動力は，何よりもまずうつ病に対する社会的認識の向上といえましょう。では，なぜ，依然としてうつ病を奇異なものとして見る目，延いては排除すべきものとして見る目が存在するのでしょうか。最後に，社会がうつ病を認識する契機を社会学的思考のなかに探ってみましょう。

      
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   <title>[V. 2] うつ病に関する数値的把握(1)…実数と暗数</title>
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   <published>2009-03-14T18:41:12Z</published>
   <updated>2009-03-14T19:48:18Z</updated>
   
   <summary>うつ病患者さんが今どれくらいいるのか，またどれくらい増えてきたのか，についてハッ...</summary>
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   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.wowrecords.co.uk/">
      うつ病患者さんが今どれくらいいるのか，またどれくらい増えてきたのか，についてハッキリとした数値は出せないところです。したがって，断片的なデータに基づいて，うつ病の量的把握を試みましょう。

とある報告では，わが国において近年，以下のような状況が見出されるとのことです。

イ…うつ病の発症率はおよそ４％。即ち２５人に一人の割合。
ロ…ただし，過去にうつ病歴のある人を含めるとおよそ１４～２５％。即ち，５～７人に一人の割合。
ハ…うつ病を既往症にもつ人の割合は，男性で７％，女性で１９％。なお，アメリカ合衆国の統計では，男性１０％，女性２５％。

これだけのデータだけからも，二つのことが明らかになりますね。まずひとつめに，発症率自体は比較的低いものの，うつ病歴も考慮すると，発症率が高くなっているということ。このことは，「うつ病になりやすい気質・体質」があるということを表していましょうか。

ふたつめに，うつ病は，男性よりも女性に多く見られるということですね。ここでは，アメリカ合衆国との比較のみに留まりますが，概ね国際的な傾向とみてよいでしょう。このような傾向も加味して医療・福祉サービスが拡充されなければなりませんね。

しかしながら，いまひとつ注意が必要です。これらの数値に用いられる実数は，医療を受けた時点でとられているものです。したがって，暗数，すなわちうつ病に陥っていながらも，病院を訪れていないという人の頭数はここには算入されません。厚生労働省内「地域におけるうつ対策検討会」が平成１６年１月に提出した「報告書」においても，「…うつ病の受療状況に特化した全国統計は存在しないし、一方、うつ病の半数以上が医療機関を受診していないと言われ、うつ病の正確な把握は難しいのが現状である」と述べられているとおりです。

さらに，うつ病にかかっているだけでなく，うつ病予備軍（第I節の事例や，[II. 5]の各種症候群をご参照ください。）をも含めると，この暗数は，グラックホールのように実数を呑みこんでしまいかねない規模になると考えられるでしょう。

それでは，少なくとも分かっている実数の領域についてだけでも，歴史的な推移を確認しておきましょう。項を改めます。

      
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   <title>[V. 1] 導入</title>
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   <published>2009-03-14T16:02:13Z</published>
   <updated>2009-03-14T16:43:06Z</updated>
   
   <summary>本節では最後に，社会において，うつ病が一体どのような位置にあるのかを探ってまいり...</summary>
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   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.wowrecords.co.uk/">
      本節では最後に，社会において，うつ病が一体どのような位置にあるのかを探ってまいります。まず初めに，患者さんの数などの統計的な把握を試みましょう。歴史的推移にも目を向けたいと思います。次に，社会学的言説にうつ病の位置を突き止めてみたいと思います。

      
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   <title>[IV. 6] 入院(2)…短所</title>
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   <published>2009-03-14T12:02:13Z</published>
   <updated>2009-03-14T16:41:23Z</updated>
   
   <summary>うつ病の入院治療にあっては，【休養】が第一の目的とされていますので，逆にいえば，...</summary>
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   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.wowrecords.co.uk/">
      うつ病の入院治療にあっては，【休養】が第一の目的とされていますので，逆にいえば，患者さんにとっては「暇で仕方がない」という事態に陥ることもあるそうです。食事・読書・テレビ観賞・喫煙で一日を費やすことになりますので，却って「こんなことをしていいのだろうか？」という不安感を抱くケースがよくあるようです。納得のいく医師の説明が求められるところでもあります。

また，他のうつ病患者さんとの交流は，人によっては苦痛になる場合も考えられます。いずれにせよ，うつ病発症の原因に応じて，入院の是非が綿密に検討されなければなりませんね。

さらに，気をつけておかなければならないのは，先の【通院医療費公費負担制度】をみていただければお分かりになるとおり，「入院」にたいしては，公的扶助はありません。したがって，医療費がかさむことになるのです。この点は，社会的ケアの改善が求められるところでもありますが，現状においては，激務からうつ病を発症し，ほんとうに休息をじっくりととらなければならないという患者さんに適したものであるということができるでしょうか。

もちろん，病院やクリニックに応じて，うつ病の入院治療の方法は千差万別です。入院治療に関心のある方は，インターネットを駆使して，自らの症状とスケジュールに適したサービスを探していただくのが一番です。加えて，独りよがりにならずに，専門家に入院の是非を問うことが大切です。

以上，うつ病を巡る医療・社会制度について節を進めてまいりました。前節までと比べると，本節の内容と分量に遜色があることは否めません。しかしながら，逆にいえば，かような医療・社会制度は，これから整備される段階にあるということが理由となっているのです。是非とも，うつ病の社会的ケアが拡充することを願ってやみません。この社会的ケアの拡充の原動力となるのは，うつ病に対する【社会的認識の改善】といっても過言ではないでしょう。次節を最終節として，うつ病を巡る社会的認知の動向を歴史的に探ることとしましょう。

      
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   <title>[IV. 5] 入院(1)…長所</title>
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   <published>2009-03-14T02:02:13Z</published>
   <updated>2009-03-14T03:08:09Z</updated>
   
   <summary>うつ病で入院治療を受ける，となった場合の概要についてもみていきましょう。うつ病治...</summary>
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   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.wowrecords.co.uk/">
      うつ病で入院治療を受ける，となった場合の概要についてもみていきましょう。うつ病治療に不可欠なのは【休養】であるということについては，前節で繰り返しお伝えしたとおりです。

ですから，うつ病の入院治療のメリットは，じっくりと安息をとることができるという点にあります。病院側も【休養】を念頭に置いた環境を用意しているので，仕事・勉学・家事・育児といった作業からは完全に解放された生活を送ることができるのです。また，お医者さんと日常に接することができるので，正確な情報を適宜入手することが可能となります。また，同じく入院している他の患者さんとの情報の交換が期待できます。うまくコミュニケーションがとれれば，うつ病の早期回復に大変有利に作用する環境が整えられているというわけです。

また，過度の自殺願望・計画に駆られている患者さんは，常に「監視」の目が行き届きますので，家の片隅に閉じこもって家族には様子を窺うことができないというリスクは解消されることになります。

ただし，このようなうつ病の入院治療がもつ長所は，それがもつ短所と表裏一体の関係にもあります。次項にみてまいりましょう。

      
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   <title>[IV. 4] 保険</title>
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   <published>2009-03-13T16:02:13Z</published>
   <updated>2009-03-13T16:36:34Z</updated>
   
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   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.wowrecords.co.uk/">
      さらに気になるのは，うつ病と保険制度との関係です。「うつ病だと生命保険に加入できない」といったことがあるようです。結論からいうと，保険会社によりにけりなのですし，精神疾患が審査において不利に働くことがあるのも事実ですが，本項において，個々の保険会社の適用如何を調べ上げることには，限界があります。また，インターネットでも多くの情報が蓄積されていますので，是非ご覧になって頂きたく存じます。

いずれにせよ，保険をはじめとするうつ病の社会的ケアについても，専門医であれば熟知されているものです。うつ病の治療にあたっては，お医者さんとのコミュニケーションのなかで，治療自体の打ち合わせだけでなく，治療中・後の身の振り方などについても相談をもちかけるのが何よりです。

一方，働く人々にとって重要なのは，【雇用保険】です。【雇用保険法】についてその詳細をここで議論することはできませんが，うつ病を患って失業した一般被保険者は，【基本手当】支給の対象条件のうち，「労働の意思及び能力を有するにもかかわらず職業に就くことができない状態にあること」に，引っかかる可能性が十分にあります。ここで，【就職困難者】の基準を満たすことができれば，【基本手当】の給付日数を延長することができるのです。【就職困難者】の定義の一つとして，【雇用保険法】が設けているのが，【障害者雇用促進法第二条第四号による精神障害者】という枠組みです。ここから【精神障害者】の定義を【障害者雇用促進法】に遡って行くと，相当の紙幅を要することになりますので，割愛しますが，いずれにせよ，心身ともに就労が可能な状態に回復していれば，【就職困難者】として認められるケースがあります。こちらについては，【ハローワーク】が的確な情報を提供してくれますので，是非お問い合わせになってください。

      
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   <title>[IV. 3] 公的扶助</title>
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   <published>2009-03-13T12:02:13Z</published>
   <updated>2009-03-13T14:04:16Z</updated>
   
   <summary>うつ病に関する医療費に公的な扶助制度は敷かれているのでしょうか。答えを先に申し上...</summary>
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      うつ病に関する医療費に公的な扶助制度は敷かれているのでしょうか。答えを先に申し上げますと，【精神科】と称される機関への通院は，自治体が負担割合を設定する【通院医療費公費負担制度】が適用されることになります。

【通院医療費公費負担制度】は，【精神福祉法】の第三十二条に定められているもので【32条】の通称も兼ね備えています。【精神疾患】による通院を対象に，通院医療費の95%までの額を保健給付及び，公費負担でまかなう旨が規定されており，いいかえれば患者さんご本人の負担額は最大5%までとなるわけです。自治体によっては，さらに5%の本人負担額が補助の対象となる，という仕組みになっているのです。

申請の手続きは，自治体役場が行っています。書類に関しては，かかる病院にも用意されていることがありますので，まずは役場かお医者さんに相談をもちかけるとよいでしょう。

      
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   <title>[IV. 2] 医療費</title>
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   <published>2009-03-13T02:02:13Z</published>
   <updated>2009-03-13T04:19:45Z</updated>
   
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      うつ病の治療にあたって，知りたくなるのは何よりも医療費ですね。もうすでに何度もお伝えしましたように，精神科や心療内科といったものは，その体裁をみても，その他の一般診療科と何ら変わるところはないということでした。そのことは，医療費についてもいえることです。

したがって，三割負担の健康保険を利用した場合には，初診の費用は，診療費と薬代とを併せて，2000円強から5000円弱となるのが一般的です。もちろん，症状の度合い，内科検査の併用，医療機関に応じて変動が見込まれます。

      
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   <title>[IV. 1] 受け皿の確保</title>
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   <published>2009-03-12T16:02:13Z</published>
   <updated>2009-03-12T18:58:11Z</updated>
   
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      うつ病の「カミングアウト」には，残念ながら未だに，失業・停職などリスクが多いのが現状です。しかしながら，家族のために，大切な人のためにうつ病と格闘する人は増加の一途にあります。本節では，現時点におけるうつ病に纏わる医療・制度を整理するとともに，今後の課題を提示することとします。

      
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   <title>[III. 11] うつ病の治療(9)…うつ病患者さんのサポート</title>
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   <published>2009-03-12T12:02:13Z</published>
   <updated>2009-03-12T13:25:26Z</updated>
   
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      【薬物治療】・【医師との対話】・【セルフコントロール】の他に，うつ病の早期回復にあたって必要とされるのは，家族や患者さんと親密な間柄にある人による【サポート】＝【思いやり】です。このような【サポート】に携わることになる人びとも交えて，患者さん＝お医者さんとのコミュニケーションが図られるのが何よりのうつ病治療の手段ですが，第三者においては，【思いやり】が高じて，うつ病に対する誤解もなされているところです。本項では，うつ病患者さんを【サポート】するえでの注意点をみてまいりましょう。

まず第一に，しばしば耳にするところでもありますが，「頑張って」をはじめとする「励まし」は，「じっくり焦らず」を念頭に置いてうつ病治療にはそぐわないものです。とくに「頑張り屋さん」がうつ病を発症した場合には，「頑張りたいのに頑張れない」であるとか，「どう頑張ってよいのかわからない」という抑うつ感のスパイラルに陥りかねません。【サポート】で必要とされる【思いやり】は，「じっくり焦らず」，「温かく見守る」ことが一番です。

第二に必要とされる【思いやり】は，患者さんからなるたけ【思考や決断の機会を取り除く】ことです。過度・早急の思考や決断で心が疲弊するのが，うつ病に至る経路の一つだったのですから。ですから，家族なら「今夜はすき焼きにしましょう」，恋人なら「今日は…して遊ぼう」といったように，患者さんに同意を求めるような提案をして日々のコミュニケーションを成り立たせることが大切です。ただし，患者さんには，決断を迫られる機会はどうしてもやって来ます。休学・休職などが典型的な例です。その際には，急がせず，【決断の時期をゆっくりと待つ】ことが周囲の人ができる【思いやり】です。

第三に，患者さんの【生活上の負担を軽減する】ことです。うつ病にかかりやすい人には，真面目・几帳面・勤勉な性格の方が多く見受けられます。とくに，主婦の患者さんの場合には，無理を強いて家事・育児を頑張ってこなそうとして，ますます病状を悪化させることが十分に考えられます。日々のコミュニケーションのなかで上手に負担を分担・軽減するよう心掛けてください。

第四に，【外出や運動を無理強いしない】ことです。よく「心と体のバランス」を引き合いに出して，「心が疲れるのは，体が疲れていない証拠」として，運動を勧めるご家族もいらっしゃいますが，【薬物療法】中であれば，お薬が「体のバランス」を「じっくり焦らず」調整しているところなのです。まずは，【休息】を一番に考えて【サポート】をすることが求められます。

第五に，【抗うつ剤は決められたとおりに服用させる】ことです。周囲の方々，あるいは患者さんご本人におかれては，「薬に頼りがちになるのでは？」であるとか，「副作用が心配」という不安が生じるところですが，【薬剤療法】は専門家によって綿密に練られたスケジュールで行われるものです。また，本節第三項でも申し上げましたように，【次世代抗うつ剤】とされる【SSRI】及び，【SNRI】は，懸念すべき副作用も抑えられるように開発されたものです。したがって，うつ病の早期回復に向けては，医師の指示をしっかりと守らなければなりません。

最後に，冒頭の内容にいまいちど立ち返りますが，【サポート】をする周囲の方々も，受診に同席してあげるということです。たしかにうつ病の「診断」自体は，症状をある意味「データ化」し，[II. 2]で解説した【DSM-IV】が設定する基準を用いて判断が下されるものです。しかし「治療」で必要とされるのは，患者ご本人及び周囲の方々から寄せられる「情報」の他にありえないのです。できる限りの「情報」を蓄積することで，医師は初めて的確な処置を施すことができるのです。また，治療に向けた情報の共有も図られることになります。【三つ巴のコミュニケーション】が【薬物療法】の効果を最大限に発揮する契機となる次第です。

以上，本節では，実際のうつ病の治療にあたって必要とされる基礎知識と注意点について述べてまいりました。次に，うつ病を巡る医療・社会制度について節を設けることとしましょう。

      
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   <title>[III. 10] うつ病の治療(8)…生活環境の変化に敏感になる</title>
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   <published>2009-03-12T02:02:13Z</published>
   <updated>2009-03-12T06:29:56Z</updated>
   
   <summary>うつ病治療において患者さんご本人の【セルフコントロール】が求められる最後の点は，...</summary>
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      うつ病治療において患者さんご本人の【セルフコントロール】が求められる最後の点は，【生活環境の変化に敏感になる】ということです。生活に大きな変化があっても，流されずに【マイペース】で【ゆったり】と安息できるように生活を構築する必要があります。

ここで特記すべきは，うつ病の症状に悪影響を及ぼしかねないのは決してネガティブな変化に限られないということです。うれしいことが起こっても，そのこと自体は，心と体，即ち【うつ病発症のメカニズム】[II. 7]及び，[II. 8], についてお話しした内容に照らし合わせれば，【セロトニン】及び，【ノル-アドレナリン】といった脳内の神経伝達物質の分泌に影響を与えます。【薬物療法】では，お薬でこの分泌量を調節しているわけですから，喜怒哀楽を問わず，感情の変化は心と体に一定の負担をかけることになるのです。したがって，生活環境の変化及び，それによる感情の起伏があった場合には，担当のお医者さんに報告するのが一番です。

以上が，うつ病治療に向けて，患者さんご本人が心掛けるべき【日常的なケア】の内容となります。続いて問題とすべきは，患者さんを【サポート】する家族や親密な間柄にある人に向けての注意点です。次項に移りましょう。

      
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   <title>[III. 9] うつ病の治療(7)…自分を知る・見つめ直す</title>
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   <published>2009-03-11T16:02:13Z</published>
   <updated>2009-03-11T19:46:39Z</updated>
   
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      うつ病の【薬物療法】と並行して，患者さんご本人が日常的にケアしなければならないのは，【休養】の他にも様々な事柄が挙げられます。【セルフコントロール】ともいうべき領域です。

まずは，【性格・気質の改善】です。うつ病に陥りやすい性格・気質については，[I. 9]で紹介したように，【真面目・勤勉】・【几帳面者・完全主義者】・【自分主義】・【柔軟性の欠如】・【自信の欠如】・【感情表現が不得手】といったキーワードが代表的なものとなります。もちろん，先人が「三つ子の魂百まで」と申したように，うつ病治療において「性格を治す」，というのは誤謬があるかと思われます。ですから，何よりもまず自分の【自分を知る・見つめ直す】ということが求められます。

上記のキーワード群は，一見するとネガティブな「性格・気質」を表したものといえるでしょうが，誰しも歳を重ねるにつれ，若い頃は尖がっていた「性格・気質」に年輪を重ね，老獪に立ち回るようになるものです。その際には，常に自らの性格・気質の自己分析が行われているはずです。同じように考えてみてはいかがでしょうか。加えて，このような「人生の過程」というほどではございませんが，うつ病の治療も比較的長期間を要することを逆手に取って，治療を自らのますますの成長とセットにして，「焦らずじっくり」構えてみるのが何よりである，と筆者は考えます。

そのようにして，患者さんご本人固有の年輪，即ち培われてきた「性格・気質」に少しそぐわない行動を意識的にしていみるというのがよいでしょう。例えば，仕事を多少【いい加減に】済ませてみる，または仕上がりまでの時間に【ゆとり】を持たせる，といったことが挙げられます。それから，やるべきことの【優先順位】を設定するということ。何故か，回避してしまいがちだった大切な仕事から片付けていくのです。加えて，その日のうちに完成しなくても，次の日にまわせばよい，というぐらいの心持でいることが重要です。さらに，問題が生じたときには，【抱え込まない】ことです。このことは，【性格・気質の改善】とも密接に関係してきます。つまり，【自分の限界をよく理解する】ことなのです。独りよがりになって却って，作業の成果や効率を貶めるよりも，他人と情報・課題を共有したほうが，会社・家族にとっても利益を生み出しうることなのですから。

また，【他人の評価を気にしない】ことも大切です。といっても，人の目は誰しも気になるものです。ですから，不必要に憶測のスパイラルに陥らないよう心掛けることが大切です。「他人からの評価を知る」＝「自分を知る」ためにも，隣人・同僚・家族とのコミュニケーションは不可欠であるといえましょう。

最後に一点注記しておきたいのが，【生活環境の変化に注意する】ことです。項を改めましょう。

      
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