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最新記事【2009年03月13日】

うつ病に関する医療費に公的な扶助制度は敷かれているのでしょうか。答えを先に申し上げますと,【精神科】と称される機関への通院は,自治体が負担割合を設定する【通院医療費公費負担制度】が適用されることになります。

【通院医療費公費負担制度】は,【精神福祉法】の第三十二条に定められているもので【32条】の通称も兼ね備えています。【精神疾患】による通院を対象に,通院医療費の95%までの額を保健給付及び,公費負担でまかなう旨が規定されており,いいかえれば患者さんご本人の負担額は最大5%までとなるわけです。自治体によっては,さらに5%の本人負担額が補助の対象となる,という仕組みになっているのです。

申請の手続きは,自治体役場が行っています。書類に関しては,かかる病院にも用意されていることがありますので,まずは役場かお医者さんに相談をもちかけるとよいでしょう。

うつ病の治療にあたって,知りたくなるのは何よりも医療費ですね。もうすでに何度もお伝えしましたように,精神科や心療内科といったものは,その体裁をみても,その他の一般診療科と何ら変わるところはないということでした。そのことは,医療費についてもいえることです。

したがって,三割負担の健康保険を利用した場合には,初診の費用は,診療費と薬代とを併せて,2000円強から5000円弱となるのが一般的です。もちろん,症状の度合い,内科検査の併用,医療機関に応じて変動が見込まれます。

うつ病の「カミングアウト」には,残念ながら未だに,失業・停職などリスクが多いのが現状です。しかしながら,家族のために,大切な人のためにうつ病と格闘する人は増加の一途にあります。本節では,現時点におけるうつ病に纏わる医療・制度を整理するとともに,今後の課題を提示することとします。

うつ病…怖くない病気です

[はじめに]

この度は,【うつ病】をテーマにお話をします。みなさまは,【うつ病】,と聞いてどのようなイメージを抱かれるでしょうか。何か奇異なもの,延いては社会生活にそぐわないものとお考えの方も多いのではないでしょうか。確かに一昔前までは,「うつ病」は,医学的言説においてさえ非常にネガティブな,扱いにくく,確固たる「輪郭」をもたないものとされてきました。「うつ病は治らない」,であるとか「怠惰」など「個人の資質に帰せられる」といった言説が,医師の側からも発せられていたのは事実です。逆にいえば,このように社会全体が「うつ病」に「神秘性」を付与したことは,患者さん自らが「うつ病」を逆手にとり,自身を「特別な心の弱者」として,殻に閉じ込もってしまうような事態をも引き起こしていたといって過言ではないでしょう。

今この現在において,即ち本稿で問題とされるうつ病は,一昔前の「うつ病」とは異なるもの,延いては名称を変えたほうがよいもの,と筆者は考えます。というのは,普段の社会生活を営むうえで,誰しもが避けられない,「心と体の総合的な失調」が件のうつ病だからです。「うつ病は心の風邪」ともいわれますが,うつ病は,誰もが発症する可能性を秘め,また処置の仕様が確立されている病気なのです。今や,このうつ病は,医学の領域において事細かに「輪郭」が与えられている一途にあります。その一方で,社会的なケアという面では,制度的な枠組みが未だ整っていないというのが現状です。この社会的な受け皿を構築するにあたって必要とされるのは,何よりもまず,うつ病に対する社会的認識の改善です。このことを切に感じ,筆を執った次第です。

本文では,具体的にまず第I節で,うつ病発症の契機となりうるような症状の事例を挙げてまいります。続く第II節では,第I節の事例に即して,医学的に定義されたうつ病の「輪郭」を明示します。近年耳にする「うつ病は治る」という言説はいささか誤謬はあるものの,風邪から糖尿病などにいたるまでの病気と同じように,要は病状の程度に応じて処置の難易如何があるということが明らかになるでしょう。第III節では,実際の治療にあたって,診断から治癒までの経過を,患者さん及び,周囲の方々への注意点とともに整理します。第IV節で問題となるのは,うつ病を巡る医療・社会制度の実態です。家族のために,大切な人のために,うつ病患者さんが積極的に医療を受けることができるような受け皿の拡充が,今後の課題として立ち現れてくるでしょう。この課題を達成するうえで不可欠なのは,何よりも社会全体がうつ病に対して無知であってはならないということです。そこで第V節では,うつ病の社会的認知の促進に向けて,同病(に対する認識)の歴史的背景を探ることとします。

なお,【強迫性障害】は,うつ病とは異なる病気です。こちらについても,うつ病と同様の社会的な対応が迫られている領域ですが,本稿で扱うには紙幅の限界がありますので,言及するには至りません。ただし,今やインターネット上でも多くの情報が蓄積されていますので,是非ご覧頂きたいと思います。


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