[I. 9] うつ病と気質・性格
さて,以上の「症状」は,うつ病との連関が指摘されうるところです。ただし,何度も申し上げますように,まずは,「症状」といってもくれぐれも重病として捉える必要はありません。うつ病自体も不可解な病気というよりも,しっかり「輪郭」のある,延いては対処の仕様がある病だからです。
ところで,[I. 2]~[I. 8]で紹介してきた「症状」に加えて,個々人の気質・性格との相関についても記しておきましょう。あくまで「傾向」に留まるものですが,先に登場して頂いたA~Hさんにおいては,以下の気質・性格が導き出されるようです。
【真面目・勤勉】…とにかく仕事には熱心に打ち込む、遅刻などもってのほか
【几帳面者・完全主義者】…大雑把に仕事を仕上げるのは大きらい、細かいデータにも目を通さないと気が済まない、隅々まで掃除をする、分からない英単語は全て調べないとスッキリしない
【自分主義】…人任せが苦手、全てのことを自分で手をつけないと気が済まない、融通が利かない、他人の意見を聞く・取り入れるのがきらい
【柔軟性の欠如】…二者択一的な選択をしがちである
【自信の欠如】…他人の評価、つまり人にどのように見られているのかが常に気になって仕方がない、自己否定的な考え,延いては常に悲観的になりがちである
【感情表現が不得手】…思っている事が口に出せなかったり,気持ちを他人に上手く伝えることができない
前項までの「症状」をお持ちでなくとも,このような気質・性格をもっているかたは,ぜひこれからの内容を参考にして頂きたいと思います。