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最新記事【2009年03月05日】

さて,以上の「症状」は,うつ病との連関が指摘されうるところです。ただし,何度も申し上げますように,まずは,「症状」といってもくれぐれも重病として捉える必要はありません。うつ病自体も不可解な病気というよりも,しっかり「輪郭」のある,延いては対処の仕様がある病だからです。

ところで,[I. 2]~[I. 8]で紹介してきた「症状」に加えて,個々人の気質・性格との相関についても記しておきましょう。あくまで「傾向」に留まるものですが,先に登場して頂いたA~Hさんにおいては,以下の気質・性格が導き出されるようです。

【真面目・勤勉】…とにかく仕事には熱心に打ち込む、遅刻などもってのほか
【几帳面者・完全主義者】…大雑把に仕事を仕上げるのは大きらい、細かいデータにも目を通さないと気が済まない、隅々まで掃除をする、分からない英単語は全て調べないとスッキリしない
【自分主義】…人任せが苦手、全てのことを自分で手をつけないと気が済まない、融通が利かない、他人の意見を聞く・取り入れるのがきらい
【柔軟性の欠如】…二者択一的な選択をしがちである
【自信の欠如】…他人の評価、つまり人にどのように見られているのかが常に気になって仕方がない、自己否定的な考え,延いては常に悲観的になりがちである
【感情表現が不得手】…思っている事が口に出せなかったり,気持ちを他人に上手く伝えることができない


前項までの「症状」をお持ちでなくとも,このような気質・性格をもっているかたは,ぜひこれからの内容を参考にして頂きたいと思います。

本項では生殖器系を巡る生殖器系の不調についてみていきましょう。性欲が減退するというのがまず一つです。会社員Aさんは,結婚したばかりの元気盛りの年ごろですが,仕事の悩みもあるのでしょう、性生活には気がいかない日々を送っていたそうです。主婦のCさんも然り,旦那さんとのトラブルの原因になったとか。学生のE~Gさんなどは,異性への関心が極めて高い年ごろですが,何故か気が回らなくなったといいます。

生殖器自体の不調も挙げられます。排尿不全を来すというのが典型的なケースです。このことは,体全体の新陳代謝が不調を来しているということにも言い換える事ができます。また,主婦のCさん・Dさんおよび,女子高生のFさんは,月経不順がみられたそうです。

月経は比較的長期の生理現象ですが,前項までと同様に,上記の「症状」に
二週間以上悩んでいる方がいらっしゃいましたら,
[II. 3]をご覧になってください。

うつ病…怖くない病気です

[はじめに]

この度は,【うつ病】をテーマにお話をします。みなさまは,【うつ病】,と聞いてどのようなイメージを抱かれるでしょうか。何か奇異なもの,延いては社会生活にそぐわないものとお考えの方も多いのではないでしょうか。確かに一昔前までは,「うつ病」は,医学的言説においてさえ非常にネガティブな,扱いにくく,確固たる「輪郭」をもたないものとされてきました。「うつ病は治らない」,であるとか「怠惰」など「個人の資質に帰せられる」といった言説が,医師の側からも発せられていたのは事実です。逆にいえば,このように社会全体が「うつ病」に「神秘性」を付与したことは,患者さん自らが「うつ病」を逆手にとり,自身を「特別な心の弱者」として,殻に閉じ込もってしまうような事態をも引き起こしていたといって過言ではないでしょう。

今この現在において,即ち本稿で問題とされるうつ病は,一昔前の「うつ病」とは異なるもの,延いては名称を変えたほうがよいもの,と筆者は考えます。というのは,普段の社会生活を営むうえで,誰しもが避けられない,「心と体の総合的な失調」が件のうつ病だからです。「うつ病は心の風邪」ともいわれますが,うつ病は,誰もが発症する可能性を秘め,また処置の仕様が確立されている病気なのです。今や,このうつ病は,医学の領域において事細かに「輪郭」が与えられている一途にあります。その一方で,社会的なケアという面では,制度的な枠組みが未だ整っていないというのが現状です。この社会的な受け皿を構築するにあたって必要とされるのは,何よりもまず,うつ病に対する社会的認識の改善です。このことを切に感じ,筆を執った次第です。

本文では,具体的にまず第I節で,うつ病発症の契機となりうるような症状の事例を挙げてまいります。続く第II節では,第I節の事例に即して,医学的に定義されたうつ病の「輪郭」を明示します。近年耳にする「うつ病は治る」という言説はいささか誤謬はあるものの,風邪から糖尿病などにいたるまでの病気と同じように,要は病状の程度に応じて処置の難易如何があるということが明らかになるでしょう。第III節では,実際の治療にあたって,診断から治癒までの経過を,患者さん及び,周囲の方々への注意点とともに整理します。第IV節で問題となるのは,うつ病を巡る医療・社会制度の実態です。家族のために,大切な人のために,うつ病患者さんが積極的に医療を受けることができるような受け皿の拡充が,今後の課題として立ち現れてくるでしょう。この課題を達成するうえで不可欠なのは,何よりも社会全体がうつ病に対して無知であってはならないということです。そこで第V節では,うつ病の社会的認知の促進に向けて,同病(に対する認識)の歴史的背景を探ることとします。

なお,【強迫性障害】は,うつ病とは異なる病気です。こちらについても,うつ病と同様の社会的な対応が迫られている領域ですが,本稿で扱うには紙幅の限界がありますので,言及するには至りません。ただし,今やインターネット上でも多くの情報が蓄積されていますので,是非ご覧頂きたいと思います。


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