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[IV. 6] 入院(2)…短所

うつ病の入院治療にあっては,【休養】が第一の目的とされていますので,逆にいえば,患者さんにとっては「暇で仕方がない」という事態に陥ることもあるそうです。食事・読書・テレビ観賞・喫煙で一日を費やすことになりますので,却って「こんなことをしていいのだろうか?」という不安感を抱くケースがよくあるようです。納得のいく医師の説明が求められるところでもあります。

また,他のうつ病患者さんとの交流は,人によっては苦痛になる場合も考えられます。いずれにせよ,うつ病発症の原因に応じて,入院の是非が綿密に検討されなければなりませんね。

さらに,気をつけておかなければならないのは,先の【通院医療費公費負担制度】をみていただければお分かりになるとおり,「入院」にたいしては,公的扶助はありません。したがって,医療費がかさむことになるのです。この点は,社会的ケアの改善が求められるところでもありますが,現状においては,激務からうつ病を発症し,ほんとうに休息をじっくりととらなければならないという患者さんに適したものであるということができるでしょうか。

もちろん,病院やクリニックに応じて,うつ病の入院治療の方法は千差万別です。入院治療に関心のある方は,インターネットを駆使して,自らの症状とスケジュールに適したサービスを探していただくのが一番です。加えて,独りよがりにならずに,専門家に入院の是非を問うことが大切です。

以上,うつ病を巡る医療・社会制度について節を進めてまいりました。前節までと比べると,本節の内容と分量に遜色があることは否めません。しかしながら,逆にいえば,かような医療・社会制度は,これから整備される段階にあるということが理由となっているのです。是非とも,うつ病の社会的ケアが拡充することを願ってやみません。この社会的ケアの拡充の原動力となるのは,うつ病に対する【社会的認識の改善】といっても過言ではないでしょう。次節を最終節として,うつ病を巡る社会的認知の動向を歴史的に探ることとしましょう。

         

[IV. うつ病を巡る医療・社会制度]

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