[III. 6] うつ病の治療(4)…薬物療法の経過
さて,正しく抗うつ剤を服用していざ治療を試みた場合,一般的にどのような経過をふまえることになるのでしょうか。
先に注意しておかなければならないのは,うつ病は直線的に,不可逆的に快方へ向かうものではないということです。比較的長期の治療期間には,症状が良くなったり悪くなったりが繰り返します。でも,全体として平均的には右肩上がりで快方に向かいます。医師の説明を聞きながら焦らずゆっくりと構える必要があります。
うつ病治療では,受診を経て,患者さんに適切な抗うつ剤が処方されます。まずは,おおよそ三ヵ月を目安に服用を続けます。この間に一定の効果が現われ,症状が改善されることがよくありますが,医師の判断のものとその後三か月から半年の間,処方時の薬剤を服用する措置がとられるのが一般的です。これを【持続療法】といいます。この【持続療法】の結果をみて初めて医師は,処方量を減らす措置を講じます。その後,引き続き三ヵ月から半年の間,処方されたお薬を服用し,治癒へと至るのが大雑把な薬物療法の経過となります。したがって,薬物療法に要する時間は一般的には,半年から一年,ということになります。「焦らずじっくり」が要される所以です。
この薬物治療の過程においては,やはり医師との弛まないコミュニケーション,患者さん本人の【日常的なケア】,家族や親しい間柄にある人による【サポート】が求められてきます。その辺りを次項以降においてみていきましょう。