[III. 5] うつ病の治療(3)…薬物療法は適切に
前項でも申し上げたとおり,各種の抗うつ剤は,一貫して医師の指示をよく守って服用することが求められます。【四環系抗うつ剤】は,比較的即効性があるとはいえ,【抗うつ剤】は,効果を発揮するのに服用してからおおよそ数週間の時間を要します。また,従来用いられてきた【三環系】を中心とする抗うつ剤は,【セロトニン】や【ノル-アドレナリン】以外の物質にも働きかけるので,口の渇き,眠気,便秘,排尿不全などの副作用を伴うことがあります。
その一方で,焦って過度に服用することは,却って脳内の神経機能のバランス,延いては心と体のバランスに多大な負担をかけることにもなりかねません。このことを肝に銘じて頂いて,さらに【抗うつ剤】の悪用がどのような結果を招くのかについても言及しておきましょう。
例えば,【三環系抗うつ剤】。一度に多量を服用すると,急性中毒に陥る可能性が非常に高くなります。自殺に用いられるのもよく聞かれるところです。また,悪用によって廃人と化してしまうケースや,犯罪性との相関も指摘されるところです。
ですから,ほんとうに真剣にうつ病を治したい,大切な人のために早くよくなりたいと思うならば,医師との綿密なコミュニケーションが図られて然るべきです。