[II. 6] 病気が誘発するうつ病
これまでは,人間関係や社会とのかかわりなどの生活環境に起因するうつ病についてみてまいりました。本項では,病気が誘発するうつ病について触れることにしましょう。
脳の病気がうつ病に直結しやすいといわれています。【脳腫瘍】や【脳血管障害】がその例です。また,【老人性痴呆】・【癲癇(てんかん)】・【パーキンソン病】によるうつ病発症も報告されています。
さらに,脳以外の疾患などによってもうつ病が発症しやすいといわれています。身近なところでは,【糖尿病】・【更年期障害】・【がん】が挙げられます。人口透析を受けている方にもうつ病発症のケースが報告されています。また,【甲状腺】の機能不全により,うつ病が発症するケースもあります。他には,【インフルエンザ】や【肝炎】などのウィルス性感染症がうつ病につながることもあるようです。また,術後の経過においてうつ病が現れることがあります。
とくに,病気に起因するうつ病は,体の機能不全が根本的な契機となっていますが,患者さんは精神的にもプレッシャーを感じているのが実際です。ですから,よりよいコミュニケーションと綿密なケアをとおして処置が講じられることが求められます。
さて,うつ病のカテゴリーについては,以上にみたとおりです。本節では,最後にうつ病発症のメカニズムについて抑えておきましょう。