Top >  [II. うつ病の輪郭] >  [II. 3-b] 軽症うつ病 / 気分変調性障害(気分変調症)

[II. 3-b] 軽症うつ病 / 気分変調性障害(気分変調症)

以上が【DSM-IV】による【気分変調性障害】(気分変調症)の判断基準の要旨です。この【障害】は,従来は【抑うつ神経症】や【神経性抑うつ】と呼ばれていました。同様に,【軽症うつ病】というのも,いうなれば「一昔前」の呼称で,その診断は「【軽症うつ病】は病気ではないから」、「治療は必要ない」、さらには「治らない」といった言説を伴っていたのです。つまり,【DSM-IV】の導入は,このような医学上のパラダイム転換とも連動していたともいえましょう。

この動きのなかで,軽度のうつ病にも様々な「輪郭」が与えられるようになりました。例えば【特定不能のうつ病性障害】=【抑うつ関連症候群】です。【手引第四版】の改定版である【DSM-IV-TR】では後者の呼称が用いられているとのことです。【小うつ病性障害】(小うつ病エピソード)・【反復性短期抑うつ障害】などがこれに含まれますが,注目すべきは,【月経前不快気分障害】です。生理的な作用に基づくうつ病の定義もなされるようになったのです。憶測の域を越えませんが,時代の流れに応じて,「女性の保護」にも与するところもありうるパラダイム転換となったということは可能でしょうか。

少し脱線しましたが,このように,【軽症うつ病】は厳密な医学上の定義からいえば,現在使用されないかもしくは,【大うつ病性障害】(大うつ病性エピソード),さらには,【気分変調性障害】(気分変調症)と異なる軽度の障害を説明するために用いられます。ただし,【大うつ病性障害】(大うつ病性エピソード)との区別を明確にするため,【気分変調性障害】(気分変調症)を含めた一連の障害を【軽度うつ病】とする語義も通用しています。この点は,今後,本稿以外でさらに広く知識を得るためにも,覚えておいてください。

いずれにせよ,うつ病はますます医学的研究の対象にあげられています。ですから,第I節で紹介した事例に心当たりのある方は,気軽にメンタルクリニックや病院の精神科などを訪ねてみるとよいでしょう。健康診断のように。

ところで,第I節で紹介した事例のうち,抑うつ気分を抱えながら,もしくは興味・関心を失いながら,さらに複数の事項に該当するという方はいらっしゃいましたでしょうか。その場合は,【大うつ病性障害】(大うつ病性エピソード)についても知識を深める必要があります。項を改めましょう。

         

[II. うつ病の輪郭]

関連エントリー

[II. 4-a] 大うつ病性障害(大うつ病性エピソード) [II. 3-b] 軽症うつ病 / 気分変調性障害(気分変調症) [II. 3-a] 軽症うつ病 / 気分変調性障害(気分変調症) [II. 2] DSM-IV [II. 1] うつ病の種類…要は病気の程度です。


メールマガジン
カテゴリー
スポンサードリンク
アドセンスイメージ画像3