[II. 2] DSM-IV
医師がうつ病の診断を行ううえでは,その他の病気と同様に判断基準が必要となってきます。現在,国内で一般的に用いられているのが【DSM-IV】というマニュアルです。
【DSM-IV】は,【アメリカ精神医学会】(APA)が定義した【精神疾患の分類と診断の手引】であり,【The Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders】の略となります。ちなみに【IV】は版数を示します。すなわち,現在までに4度の改訂をふまえているということです。2012年には【DSM-V】がパブリッシュされる予定です。なお,各版に【mini-D】との呼称をもつ携帯版も世に出されていますので,関心のある方は入手されるのもよろしいかと存じます。
この【手引】の内容を詳細に整理することには,本稿では限界があります。したがって,うつ病は,【軽症うつ病】と【大うつ病】に大別することができるということから始めます。多くは,【軽症うつ病】に分類されるケースが多く,治療も比較的簡単に処置できるところで、【気分変調性障害】(気分変調症)などとも呼ばれます。現在では,うつ病研究が進展の一途にありますので,広くカテゴリー化されるに至っています。逆にいうと,一昔前の「うつ病」は,重度の症状を指していたわけです。この症状は現在では,【大うつ病性障害】(大うつ病性エピソード)呼ばれるもので,後ほど紹介することになります。